検索クエリの分析から見えてきた、ユーザーの3つのインテント
6,674件の検索クエリをインテント分析。ECユーザーが商品名だけでなく、デザイン、機能、価格、季節、利用場面などの選択条件を検索窓に入力している実態を解説します。
EC検索, AI検索, インテント分析, 検索クエリ, ECサイト, 商品検索, 商品選び, エージェンティックコマース, genser
ECサイトには、商品が十分にそろっている。
それでも、ユーザーが自分に合う商品を見つけられるとは限りません。
ユーザーの条件を検索エンジンが理解できなければ、商品が存在していても検索結果に表れないことがあります。
結果は表示されても、意図に合わない商品ばかりが並ぶこともあります。
その場合、ユーザーは検索語を変えて探し直します。
それでも見つからなければ、「このサイトには欲しい商品がない」と判断し、離脱してしまいます。
これは、ユーザーにとっての商品発見機会の損失です。
EC事業者にとっても、販売機会の損失につながります。
では、ECで買い物をするユーザーは、検索窓にどのような意図を入力しているのでしょうか。
今回、弊社がご支援しているクライアント様のECサイトにおいて、6,674件の検索をインテント分析しました。
検索クエリには、主に3つの要素が含まれている

分析の結果、検索クエリに含まれる意図は、大きく3つに分けられることが分かりました。
一つ目は、「何を探しているか」です。
トップス、パンツ、ワンピース、バッグ、ストラップサンダルなど、具体的な商品が当てはまります。
二つ目は、「どのような商品を選びたいか」です。
デザインやスタイル、機能、色、ブランド、対象者、価格、サイズ、素材などが含まれます。
三つ目は、「どのような場面で使いたいか」です。
夏、オフィス、結婚式、旅行などの季節やTPOです。
ユーザーは、これらを項目ごとに整理して入力しているわけではありません。
商品、選択基準、TPOが一つの短い検索クエリに自然に重なっています。
そこで、それぞれの要素がどの程度含まれているのかを分析しました。
89.4%には、具体的な商品や目的が含まれていた

6,674件のうち、89.4%には具体的な商品や検索目的が含まれていました。
多くのユーザーは、トップスやバッグなど、探しているものをある程度イメージしています。
一方で、約11%には具体的な商品名が含まれていませんでした。
例えば、「結婚式で使えるものが欲しい」「旅行に持っていけるものを探している」といった検索です。
この段階では、ユーザー自身も何を買うべきか決めきれていない可能性があります。
商品名は決まっていなくても、買い物の目的はある。
ECには、こうした曖昧な相談から候補を提示する役割も求められています。
67.6%には、商品を選ぶ条件が含まれていた

検索全体の67.6%には、何らかの商品選択基準が含まれていました。
最も多かったのは、デザイン・スタイルです。
2,351件確認されました。
実際には、「リボンがついているシュシュ」「ヴィンテージスタイルのTシャツ」「きれいめのストラップサンダル」といった検索が行われています。
「リボン」のように、具体的な装飾を指定することもあります。
一方で、「ヴィンテージスタイル」「きれいめ」のように、雰囲気や印象で探すこともあります。
そのほか、機能・性能が725件、色が672件、ブランドが551件、性別・年齢などの対象条件が492件、価格が482件、サイズ・寸法が425件、素材が423件含まれていました。
ユーザーは商品名だけでなく、好み、機能、予算、自分に合うかどうかまで検索窓に伝えています。
8.5%には、季節や利用場面が含まれていた

検索全体の8.5%には、季節やTPOが含まれていました。
主なものは、季節・シーズンが266件、オフィス・ビジネスが86件、結婚式・セレモニーが43件、旅行・リゾートが40件です。
同じ商品でも、使う場面によって選ぶ基準は変わります。
バッグを探しているとしても、通勤用なら収納力や軽さが気になるでしょう。
旅行用なら、容量や持ち運びやすさが重要になります。
ワンピースも、普段着と結婚式用では適したデザインが異なります。
ユーザーは、商品そのものだけでなく、「どのような場面で、どう使いたいか」まで考えながら検索しています。
短い検索クエリにも、複数の意図が含まれている

今回の分析では、89.4%に商品や目的、67.6%に選択基準、8.5%にTPOが含まれていました。
これらは別々に検索されているとは限りません。
例えば、次のような検索です。
このクエリでは、「ストラップサンダル」が商品です。
「きれいめ」が選択基準です。
「夏」と「旅行」がTPOに当たります。
一つの短いクエリに、商品、好み、機能、予算、対象者、利用場面が重なっていることがあります。
検索エンジンが単語だけを拾えば、その背景にある意図を見落とします。
商品が存在していても、適切な候補を提示できません。
今のECに求められているのは、キーワードに一致する商品を並べるだけの検索ではありません。
ユーザーが何を探し、何を重視し、何のために使いたいのかを理解した商品提案です。
オフライン店舗では、店員が会話から意図をくみ取っている

実店舗では、販売員がユーザーの曖昧な要望を整理します。
「旅行用のバッグを探しています」と相談されたら、旅行の日数や移動手段、荷物の量、予算、好みのデザインを確認するでしょう。
最初からすべての条件を言葉にできなくても、会話の中で意図をくみ取り、適した商品へ案内します。
購入率は業態や計測方法によって異なります。
Shopifyが紹介するTruRatingの2026年の小売分析では、実店舗の購入率は専門店で15~30%、食料品で20~40%、大型店で10~20%とされています。
一方、ECの購入率は、計測元によって1.6~3%程度とされています。
もちろん、この差がすべて接客によって生まれているわけではありません。
実店舗には、商品を手に取れることや、その場で持ち帰れることなど、ECにはない利点もあります。
それでも、販売員が会話から条件を引き出し、選択肢を絞ってくれることは、実店舗における大きな価値の一つです。
オンラインでは、ユーザーは自分で検索語を考え、カテゴリを選び、絞り込みを操作しながら、膨大な商品から候補を探さなければなりません。
ECにも、熟練した販売員のように、短い言葉から意図を理解し、商品選びを支援する仕組みが必要です。
EC検索から、買い物を支援するエージェンティックコマースへ
ユーザーは、商品名だけで買い物をしているわけではありません。
好みや予算、機能、利用場面を組み合わせながら、自分に合う商品を探しています。
これからのECには、その意図を理解し、適切な候補を提案する接客が求められます。
EC特化型エージェンティックコマースSaaS「genser」は、検索クエリに含まれる商品、選択基準、TPOを読み取り、意図に合った商品を提案します。
検索結果を返すだけではなく、ユーザーの商品選びから意思決定までを支援する。
こうした体験が、EC検索をエージェンティックコマースへ変えていきます。
自社ECにおいて検索結果を返すだけではなく、ユーザーの商品選びから意思決定までを支援したいと思う方は、ぜひgenserの資料をご覧ください。
参考
・Shopify「What is a Retail Website's Conversion Rate Calculated As?」
https://www.shopify.com/blog/retail-conversion-rate
ECサイトには、商品が十分にそろっている。
それでも、ユーザーが自分に合う商品を見つけられるとは限りません。
ユーザーの条件を検索エンジンが理解できなければ、商品が存在していても検索結果に表れないことがあります。
結果は表示されても、意図に合わない商品ばかりが並ぶこともあります。
その場合、ユーザーは検索語を変えて探し直します。
それでも見つからなければ、「このサイトには欲しい商品がない」と判断し、離脱してしまいます。
これは、ユーザーにとっての商品発見機会の損失です。
EC事業者にとっても、販売機会の損失につながります。
では、ECで買い物をするユーザーは、検索窓にどのような意図を入力しているのでしょうか。
今回、弊社がご支援しているクライアント様のECサイトにおいて、6,674件の検索をインテント分析しました。
検索クエリには、主に3つの要素が含まれている
分析の結果、検索クエリに含まれる意図は、大きく3つに分けられることが分かりました。
一つ目は、「何を探しているか」です。
トップス、パンツ、ワンピース、バッグ、ストラップサンダルなど、具体的な商品が当てはまります。
二つ目は、「どのような商品を選びたいか」です。
デザインやスタイル、機能、色、ブランド、対象者、価格、サイズ、素材などが含まれます。
三つ目は、「どのような場面で使いたいか」です。
夏、オフィス、結婚式、旅行などの季節やTPOです。
ユーザーは、これらを項目ごとに整理して入力しているわけではありません。
商品、選択基準、TPOが一つの短い検索クエリに自然に重なっています。
そこで、それぞれの要素がどの程度含まれているのかを分析しました。
89.4%には、具体的な商品や目的が含まれていた
6,674件のうち、89.4%には具体的な商品や検索目的が含まれていました。
多くのユーザーは、トップスやバッグなど、探しているものをある程度イメージしています。
一方で、約11%には具体的な商品名が含まれていませんでした。
例えば、「結婚式で使えるものが欲しい」「旅行に持っていけるものを探している」といった検索です。
この段階では、ユーザー自身も何を買うべきか決めきれていない可能性があります。
商品名は決まっていなくても、買い物の目的はある。
ECには、こうした曖昧な相談から候補を提示する役割も求められています。
67.6%には、商品を選ぶ条件が含まれていた
検索全体の67.6%には、何らかの商品選択基準が含まれていました。
最も多かったのは、デザイン・スタイルです。
2,351件確認されました。
実際には、「リボンがついているシュシュ」「ヴィンテージスタイルのTシャツ」「きれいめのストラップサンダル」といった検索が行われています。
「リボン」のように、具体的な装飾を指定することもあります。
一方で、「ヴィンテージスタイル」「きれいめ」のように、雰囲気や印象で探すこともあります。
そのほか、機能・性能が725件、色が672件、ブランドが551件、性別・年齢などの対象条件が492件、価格が482件、サイズ・寸法が425件、素材が423件含まれていました。
ユーザーは商品名だけでなく、好み、機能、予算、自分に合うかどうかまで検索窓に伝えています。
8.5%には、季節や利用場面が含まれていた
検索全体の8.5%には、季節やTPOが含まれていました。
主なものは、季節・シーズンが266件、オフィス・ビジネスが86件、結婚式・セレモニーが43件、旅行・リゾートが40件です。
同じ商品でも、使う場面によって選ぶ基準は変わります。
バッグを探しているとしても、通勤用なら収納力や軽さが気になるでしょう。
旅行用なら、容量や持ち運びやすさが重要になります。
ワンピースも、普段着と結婚式用では適したデザインが異なります。
ユーザーは、商品そのものだけでなく、「どのような場面で、どう使いたいか」まで考えながら検索しています。
短い検索クエリにも、複数の意図が含まれている
今回の分析では、89.4%に商品や目的、67.6%に選択基準、8.5%にTPOが含まれていました。
これらは別々に検索されているとは限りません。
例えば、次のような検索です。
夏の旅行に使える、きれいめのストラップサンダル
このクエリでは、「ストラップサンダル」が商品です。
「きれいめ」が選択基準です。
「夏」と「旅行」がTPOに当たります。
一つの短いクエリに、商品、好み、機能、予算、対象者、利用場面が重なっていることがあります。
検索エンジンが単語だけを拾えば、その背景にある意図を見落とします。
商品が存在していても、適切な候補を提示できません。
今のECに求められているのは、キーワードに一致する商品を並べるだけの検索ではありません。
ユーザーが何を探し、何を重視し、何のために使いたいのかを理解した商品提案です。
オフライン店舗では、店員が会話から意図をくみ取っている
実店舗では、販売員がユーザーの曖昧な要望を整理します。
「旅行用のバッグを探しています」と相談されたら、旅行の日数や移動手段、荷物の量、予算、好みのデザインを確認するでしょう。
最初からすべての条件を言葉にできなくても、会話の中で意図をくみ取り、適した商品へ案内します。
購入率は業態や計測方法によって異なります。
Shopifyが紹介するTruRatingの2026年の小売分析では、実店舗の購入率は専門店で15~30%、食料品で20~40%、大型店で10~20%とされています。
一方、ECの購入率は、計測元によって1.6~3%程度とされています。
もちろん、この差がすべて接客によって生まれているわけではありません。
実店舗には、商品を手に取れることや、その場で持ち帰れることなど、ECにはない利点もあります。
それでも、販売員が会話から条件を引き出し、選択肢を絞ってくれることは、実店舗における大きな価値の一つです。
オンラインでは、ユーザーは自分で検索語を考え、カテゴリを選び、絞り込みを操作しながら、膨大な商品から候補を探さなければなりません。
ECにも、熟練した販売員のように、短い言葉から意図を理解し、商品選びを支援する仕組みが必要です。
EC検索から、買い物を支援するエージェンティックコマースへ
ユーザーは、商品名だけで買い物をしているわけではありません。
好みや予算、機能、利用場面を組み合わせながら、自分に合う商品を探しています。
これからのECには、その意図を理解し、適切な候補を提案する接客が求められます。
EC特化型エージェンティックコマースSaaS「genser」は、検索クエリに含まれる商品、選択基準、TPOを読み取り、意図に合った商品を提案します。
検索結果を返すだけではなく、ユーザーの商品選びから意思決定までを支援する。
こうした体験が、EC検索をエージェンティックコマースへ変えていきます。
自社ECにおいて検索結果を返すだけではなく、ユーザーの商品選びから意思決定までを支援したいと思う方は、ぜひgenserの資料をご覧ください。
参考
・Shopify「What is a Retail Website's Conversion Rate Calculated As?」
https://www.shopify.com/blog/retail-conversion-rate